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江坂 文孝
エキスパート応用化学シリーズ; 機器分析, p.119 - 135, 2015/09
固体試料の分析には、固体内部あるいは全体の平均組成を測定する「バルク分析」が古くから用いられてきた。一方、固体表面の組成や化学構造に着目した分析は「表面分析」と呼ばれ、近年、急速に分析法の開発が進んでいる。固体の表面は、気体や液体との相互作用によりバルクと異なる組成を有する場合が多く、それが物性に与える影響も少なくない。また、材料の電気的特性や強度を向上させることを目的に、材料表面に不純物をドーピングしたり、薄膜を形成させたりするなどして表面組成を意図的に変化させた様々な機能性材料が開発されている。このような材料の開発過程では、その物性の把握とともに表面組成を評価するための分析が必要不可欠である。本解説では、種々の表面分析法について、その原理と特徴を述べる。